秋の句






限りなく母の恋しき長き夜


秋雨を追ひかけて行く湖西線

道ひとつ行き過ぎし時虫時雨

検査終へ眠り呆ける秋の雨

大幹の裂けたるままに柿たわわ

花みくじ吉と出るなり紅葉狩

生垣や抜くと決まりて終の秋

新しき竹垣濡らす秋の雨

つるし柿三個もぎりて母の前

広がりを束ねし路地の秋桜

母の忌の近づいて居り十三夜

母の忌の手筈整ひ秋深む

秋彼岸引き上げ湯葉の香る膳

渡り切る錦帯橋や秋うらら

干潮の鳥居を潜る親子鹿

ゆるやかに風を操る秋扇

歩道まで実り広がる稲穂かな

五時間の教育懇談秋暑し

山紅葉本殿までの三十段

ほろ酔ひの人の混じりて紅葉狩

あちこちの千草の香り誕生日

秋の声四方より迫る誕生日

浪速路の大秋晴れや誕生日

こすもすの花束揺れる誕生日

秋彼岸知命の歳となりにけり

娘達栗剥く爪の美しき

金木犀一枝手折り夫帰宅

煎り胡麻の香り添えて夕餉かな

秋雨をたっぷり含む加賀平野

秋光や表札古り知事官舎

晩秋の園の賑わい野点席

おみくじの凶を引き当て冬隣

秋微雨耳聞こえぬと臥せる兄

休日や庭のぶだうを摘んでをり



  

  






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