なくしたボタン事件


10年生にしては体格のいいマティ・リンデンはウィンターズ警視をにらみつけた。

「頭がおかしいんじゃないの? ぼくはケイシー先生を殴ったりしてないし

財布も盗ってないよ!」

「ほう、そうかい? ところがきみにとっては不運なことに、9年生の女の子が

たまたまケイシー先生が倒れていた廊下にいたんだよ。

そして黒っぽいカーディガンと茶色のズボン姿の少年が

突き当たりのドアから出て行くのをみたんだ」

警視はそこでいったん言葉を切って、改めて尋ねた。

「きみはいつもカーディガンを着ているのかい?」

「うん」 マイティが答えた。「どうして?」

「上から3番目のボタンがないのは気づいているよな」 

警視は鋭い口調で言い、そのボタンを見せた。

「ケイシー先生がこのボタンを握りしめているのを、きみを見かけた女の子がみつけたんだよ」

「そのボタンは2日前になくしたんだ」

マティが負けじと言い返した。

「その女の子はー あんなに長い廊下なのに、どうして僕だってわかったっていうのさ!」

「はっきりわかったわけじゃないー きみの背中しか見てないからね。

でもそれがきみだったということは、このボタンが証明しているじゃないか。

幸い、ケイシー先生の怪我はそれほどひどくないようだよ。

さあ、先生の財布はどこにある?」

「殴ってもいないし、財布も盗ってないと、マティはいまだに言い張っています」

しばらくして警視がハレンジア博士に言った。

「おそらく」 博士が言った。

「ミス・ケイシーが襲われた時間、その少年にはろくなアリバイがないんだろうね」

「その通りです。10時に学校のボイラー室に来いというメモを受け取ったと言っていてー

ミス・ケイシーはが襲われる15分前です。マティは30分ほど待っていたが

誰も現れなかったと」

「それならもう逮捕ができるじゃないか」ハレンジア博士が言った。




Q4

犯人の生徒はどこで失敗したのでしょう?

by ドナルド・J・ソボル


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A4
マティ・リンデンを陥れようとした9年生の女の子は
少年がいつも着ているカーディガンに固執しすぎました。
廊下から出て行く少年の背中しか見ていないのなら
それがセーターなのか、カーディガンなのかはわからないはずです。
あらかじめそのボタンを盗っておいたから知っているのでないかぎり。


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