フランスのブドウ園事件
 


ピエール・ジプロールが借りているマンションで出されたディナーは、文句なしに素晴らしいものだった。

ローストした肉が給仕されているあいだに、ジプロールは立ち上がり

冷やした赤ワインのコルクを手際よく抜いて、ハレンジア博士のグラスに少しだけ注いだ。

博士はワインを口に含むと賛意を表して恭しく頷いた。

ジプロールが他の客にワインを注いでいるあいだに、博士の横に座っていたジム・モーガンが

小声で聞いた。「どう思います?」

「ワインをか? 素晴らしいよ」

「いや、もちろん、何で我々が招待されたのかです」

「どうやらジプロールは資金が必要のようだね」

「先週、僕のオフィスにやって来たんです。フランスのブドウ園への投資に

興味がありそうな人のリストを手に入れるために。

彼はボルドーから来たワインの専門家だと言っていますが、それを確認する時間がなかったんですよ。

売りに出されているブドウ園はフランスでも指折りの豊かな土壌だと請け合っていました。

最高のブドウが穫れると。アメリカで高値で売れるような、

ブルゴーニュの赤のスパークリング・ワインを造りたいそうです」

「とりあえず必要なのはいくらなんだ?」博士が尋ねた。

「ブドウ園の持ち主はアメリカ・ドルで百万ドルを要求しているそうです。しかも火曜日までに

金を用意できなかったら、話は白紙に戻すと言ってるようで。

客のリストに博士の名前を入れておいたのは、博士ならジプロールえお評価するのに

助言をくださると思ったんです」

「そうだね」博士は答えた。「1ペニーも投資しないことだね!」





Q2

どうして投資してはいけないのでしょう?


by ドナルド・J・ソボル


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A2
ジプロールはボルドーから来たワインの専門家ではなく
詐欺師だということが博士にはわかったからです。
その理由は、第1に冷やした赤ワインをテーブルで開けましたが、
専門家ならば一時間以上前に開けて、室温になじませておくはずです。
第2に「指折りの豊かな土壌」ではワインにするのに最適なブドウはできません。
第3に、ブルゴーニュの赤のスパークリング・ワインは最高のブドウではなく
出来の悪いブドウを使って造られるのです。



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